行政書士のダブルライセンスにおすすめの資格について解説!
ダブルライセンスとは、その名の通り2つ以上の資格を取得することです。行政書士の資格が取れたのだから、さらなるステップアップのためにほかの資格も取りたいと考える人もいるでしょう。そのためには、行政書士の資格を活かせる相性のいい資格を選ぶことが大切です。そこで今回は、行政書士のダブルライセンスにおすすめの資格を紹介します。
行政書士がダブルライセンスを取得するメリット
行政書士は、官公署へ提出する書類の作成や代理申請などを独占業務として行う「書類のプロ」です。扱う書類は1万種類以上あり、これだけでも充分専門性が高く単独で稼ぐことができますが、ダブルライセンスを取ることでさらに専門性の高い仕事ができるでしょう。
たとえば会社設立の際に行う登記の手続きは、司法書士の独占業務であり行政書士は行うことができません。しかしその会社が飲食店を経営するのであれば、飲食店営業許可申請が必要になり、これは行政書士の独占業務となります。そこでもし行政書士と司法書士の両方の資格を取得していたら、会社設立の登記申請から飲食店営業許可申請までを行うことができるのです。
このように、双方の資格の足りないところを補い合えるというのがダブルライセンスのメリットといえるでしょう。また、ダブルライセンスを取得することにより、ほかの行政書士事務所との差別化を図れるというメリットもあります。
たとえば行政書士と宅建のダブルライセンスなら不動産に特化した業務、行政書士と社労士なら労働や企業に特化した業務など、得意分野に特化したアピールポイントを打ち出すことができるでしょう。行政書士の強みである書類作成だけではなく、ほかの資格を活かして活躍の場を広げられるので、クライアント側も「あの行政書士に依頼したら、いろいろ相談に乗ってもらえる」という信頼感が生まれ、リピーター獲得が期待できます。
行政書士とのダブルライセンスを目指す上で注意するべきポイント
このように行政書士がダブルライセンスを取得するメリットはたくさんあります。ここでは、行政書士とほかの士業とのダブルライセンスを目指すにあたって注意するべきポイントについて説明します。
しっかりスケジュール調整をする
早くダブルライセンスを取得したいからといって、無理なスケジュールを立てるのは禁物です。狙っている資格によっては、出題範囲も出題科目も異なります。そうすると勉強しなければいけない範囲が膨大になり、中途半端な勉強しかできなくなるかもしれません。まずは焦らずに資格を1つ1つクリアしていくことを目指してみてください。
まずは行政書士資格の取得を目指す
ダブルライセンスを目指す場合、まずは行政書士資格の取得を目指す人が多いようです。行政書士資格は受験制限がなく、ほかの士業に比べて難易度が低いことが理由としてあげられます。資格取得のためにはじめて法律を学ぶ場合は、基礎知識をつけることができ、効率よくダブルライセンスの勉強ができるでしょう。
トリプルライセンスも視野に入れる
近年、行政書士とほかの士業とのダブルライセンスを目指す人が増えています。そのため、さらなる差別化を図るためにも工夫することが大切です。専門性を高めるためにダブルライセンスの組み合わせを熟慮することも大切ですし、トリプルライセンスを目指すことも視野に入れるとより業務の範囲が広がるかもしれません。
行政書士のダブルライセンスにおすすめの資格
ここでは、ダブルライセンスを取得するために行政書士と相性のいい資格を紹介します。
社会保険労務士
行政書士は会社設立時の書類作成や代理申請を行うのに対して、社会保険労務士は会社設立後に必要な健康保管や年金などの社会保険の手続き、労務や人事に関する相談事を請け負います。社会保険労務士と長い付き合いをする企業も多いため、会社設立時から関われる行政書士と組み合わせることで顧客の囲い込みが期待できます。
司法書士
司法書士は会社設立時の登記に関する手続きを独占業務として行います。行政書士と非常に似ている司法書士ですが、行政への書類作成を行う行政書士と業務範囲が微妙に異なるため、ダブルライセンスを取得することで、会社設立における一連の手続きを行うことができます。出題科目が重複している部分もあるので勉強しやすいという利点もあります。
宅地建物取引士
宅建士は、不動産に関する手続きのスペシャリストです。行政書士の業務内容には不動産に関わる書類作成もたくさんあるので、宅建士と組み合わせることで、不動産関係に強い行政書士というアピールポイントができるでしょう。
税理士
税理士は、漸近に関する手続きのスペシャリストです。会社設立時における書類作成は行政書士に依頼し、設立後の税金関係の相談や手続き関係は税理士に依頼します。社労士と同じくダブルライセンスを取得することによって、長く顧客とのお付き合いができるというメリットがあります。
まとめ
行政書士とほかの士業とのダブルライセンスを取得することで、業務の範囲が広がり、ほかの行政書士事務所との差別化を図れます。メリットがたくさんあるダブルライセンスですが、行政書士はもちろん、ほかの資格も難関資格ばかりです。勉強する時間と労力も大変なものとなるでしょう。しかし、難関資格を突破できれば仕事の範囲がぐっと広がるので、挑戦してみる価値はあるのではないでしょうか。